こんにちは、川澄です。

展覧会が終わり1週間が経ちますが、関連して本日はアートをテーマにします。
アートの楽しみ方について聞かれたことがあったので、私なりの方法を紹介します。
前提としてアートの楽しみ方は人によって違いがありますのでご了承ください。
長文になりますがよろしくお願いします。

今回は初めて購入したアート作品を参考にしたいと思います。

作家名：大島 利佳（オオシマ リカ）▶ 公式HPは【コチラ】
作品名：あなただけを見ている
作品概要：S3号、アクリル、岩絵具、絹本彩色

楽しみ方と言っても特別なことはありません。至って単純なことです。
それは絵に何が描かれているのかよく見て調べる。
最後に自分の考えや気持ちをまとめることです。

“見る”ポイントは大きく分けて3点。

①作品名
②人物
③背景

最後のまとめとして、

④物語

では順番に見ていきます。

①作品名

「あなただけを見ている」

作品名から恋愛に関する題材と考えることが出来ます。

②人物

16～18歳位の少女でしょうか。
キレイな黒髪で前髪は斜め分けの短めで後ろ髪は肩まで伸びています。
真っ赤な口紅と目尻の赤いアイシャドウは大人っぽさを感じさせます。
全体的に赤みを帯びているところも特徴的です。
ブルーとグレーのチェックのキャミソールはとてもラフな格好にみえます。
少女の表情からは緊張感があり少し不安げな気持ちを感じます。
しかし悲しみのような感情は感じません。
それよりも何かを真っ直ぐに見つめている力強さを持っているようにみえます。

③背景

黄色というより山吹色の背景色にひまわりが3本描かれています。
2本は少女と同じ方向を向いているが、1本は横を向いている。

上記について調べる。
・山吹は春の終わりと初夏の始まりを知らせる
・山吹の花言葉は「気品」「崇高」「金運」
・ヒマワリは太陽の動きに応じて花の向きを変える
・ヒマワリ畑で同じ向きで並ぶのはこの特性があるから
・ヒマワリの花言葉は本数によって意味が異なり3本は「愛の告白」

※余談:山吹は私の誕生日である3月28日の誕生花

④物語

①～③の情報を整理して1つの物語をつくります。

【前編】
この絵は初夏にヒマワリが咲く自然豊かな場所で少女が少年に告白をした場面。
少女のラフな格好をみると、少年とは幼い頃から仲が良い関係であったことを想像する。
少女は成長して相手を思う気持ちに変化があることに気づく。
少女はその感情を表に見せるようなことはしてこなかったが、ある時秘めていた気持ちを少年に伝えた。
少年は少女に気持ちを伝えられて驚いている。
2人の間に緊張感のある時間が流れている。
少女は答えが返ってくる瞬間までじっと前を見つめている。
（2本のヒマワリは前を向いて正面から答えを受け止めようとしている強い気持ち）
内心、とても不安な気持ちでいるが、少年には普段通りを装い強がってみせている。
（1本のヒマワリは不安で恥ずかしくて顔を背けて逃げ出したい気持ち）
緊張と恥らいの気持ちからだと思うが、耳と鼻、全体的に赤みを帯びている
少女はまっすぐ少年をみて答えを待っている。

ここで一旦終了。

結果はどうなったか？
私は作品名に注目したいと思います。

「あなただけを見ている」

少し引っ掛かるのが中高生で『あなた』という言葉を使うのか？
この少女から『あなた』という言葉が発せられるイメージがない。
『あなた』は大人っぽい言葉使いだと思います。
そこで登場人物を増やしました。
結果、最終的な物語の完成です。

【後編】
夫婦はヒマワリを見ながら初夏の思い出を懐かしく思う。
大人になった少女は昔を思い出す。
勇気を出してわたしの気持ちをあなたに伝えた。
それは大人になっても変わらないわたしの気持ち。
“わたしは子供の頃からずっと”あなただけを見ている。

以上。

これは私が想像した物語で実際はわかりません。
作家ご自身に作品解説をお聞きしたこともないので情報もありません。
自分が何を感じたかを大切にしています。

“わたしは子供の頃からずっと”という隠されたキーワードを付け足すと、
少女の物語が今に続いているようで奥行き深いものに感じる。
この作品は冒頭でも述べた通り、初めて購入したアート作品です。
見ていて引き込まれました。感動というよりも懐かしい感情が湧いて穏やかな気持ちになりました。
物語をつくることは作品に対して感情移入することに繋がり一層楽しむことができます。
誰かの思いや感情がアートの中にあると考えたら素敵です。

私はアートから情感あふれてくるものに魅力を感じて惹きつけられます。
「わからない」ことを知ろうとすることは面白くて、答えが見つかったときの快感も魅力の1つです。
それらはアートをずっと見ていて飽きない理由です。（2～3時間平気でみてます）
冒頭のとおり、アートの楽しみ方は他にもあるのでまたどこかで紹介できればと思います。

それでは次回のブログでお会いしましょう。

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